「やんちゃ史観」または「いじめっ子史観」 侵略と認めない人達
女性教師を閉じ込めて爆竹を投げ込んだり、同級生を全裸にして性器に落書きしたりしたという、熊田議員と中川議員の「いじめエピソード」。既に大きな話題となっているので再述したりしないけれど、熊田議員の秘書が「スカートめくりのようなもの」とコメントしてさらに炎上したりしている。
これ、どこかで聞いた話だなあ、と思いながらニュースを見ていたのだけれど、
を見て理解した。要するにいま、安倍首相なりいわゆる「愛国保守」なりが掲げる「正しい歴史認識」なるものと全く一緒だ。
「あの頃はやんちゃ(戦争)したけど、若かったし(70年も昔の話だし)、そんな時代(帝国主義時代)だったんだから、よくある話だよね(欧米もやってたよね)?いじめ(侵略)じゃないよね?それよりさ、大事なのは今でしょ?(いつまでもぐだぐだとウゼエんだよ)」
全く言ってることは熊田議員や中川議員と同じだし、開き直る道筋もそっくり。「やんちゃ史観」ないし「いじめっ子史観」と呼んでいいんじゃなかろうか。
たまたま自民党の議員二人が失言してしまったとかいうものではなく、ひょっとして、いまこの手の考え方こそ政権党の本質や本音なんじゃなかろうかと思いながらニュースを見ている。
朝日新聞はボケ過ぎじゃなかろうか
良かった。同じ感覚を持っている人達がいて。
「朝日新聞 機動戦士ガンダム版」、とりあえず入手してみたんだけれど、いくらガンダム展主催記念とはいえ正直ボケ過ぎだと思う。私は一介のオタだけれど、いやオタだからこそ全く喜べないぞ。わざわざ8月6日に発刊するのは何故だろう?ガンダム展開始の7月18日などではない理由はどこにあるのだろう?
しかも内容も特段見るべきところもない、単なる物語や設定の紹介やに尽きていて、論説もなければ解説にさしたる鋭い切り口もない。一応、「宇宙人語」なる天声人語パロディがあるけれど、これも戦争が終結して良かったと呟いているだけ。冨野監督のインタビューもあるけれど、これも『ガンダム Gのレコンギスタ』の宣伝どまりだし。
単なる名義貸しで、企画展側主導の紙面づくりなんだろうけれども、これ、あまりに朝日新聞自体の名を落としちゃいないかな?ざっとネット上のニュースを見て回る限り、「どうせ捏造」、や「どうせ左寄り」といった叩きが多い感じだけれど、これを恐れたのかな?
自分は逆に、朝日新聞らしい見識で『ガンダム』を読みとるならそれはそれで納得していただろうと思うのに。
ニューヨークタイムズは70年前の原爆投下の日、単なる解説どまりや大きな戦果に浮かれるようなことなく、
我々は壊滅の種をまいた。この戦争を通じての我々の爆撃はほとんど都市、そして民間人を標的にしていた。我々の爆撃は敵より効果的で、より壊滅的な打撃を与えたため、アメリカ人は「破壊」の同義語となった。そして我々は初めて、計り知れない効果を持つ新たな兵器を導入した。これは速やかに勝利をもたらすかもしれないが、より広い憎悪ももたらすだろう。我々自身に壊滅をもたらすかもしれない。
との深刻な認識をもって記事を書いている。(以下の記事より引用)
翻って、ガンダム一年戦争について、朝日新聞は何を書いているんだろう?
互いに少年兵まで動員した戦争であったこと、独裁だけでなく、優生主義をめぐる争いであったこと、人類の半数を死滅に追いやるような破滅的な戦争であったこと、いくらでもネタはあるというのに、解説ばかりにとどまっている。まともにガンダムにとりあってないってことじゃなかろうか?
だから、オタだからこそ喜べない。